第45話「デリヘル嬢の裏側」感じることへの罪悪感。
風俗嬢引退前、最後に働かせていただいたのがセクシーキャバクラ。
略してセクキャバ、またはおっぱいパブやおっパブと呼ばれますね。
志望動機はやはり、金と好奇心だけ。
当時は裸仕事でちょこちょこと小銭を稼ぎながら、通販サービスを扱う小さな会社でアルバイト事務員として働いていました。
事務仕事に慣れてきた頃でしたので「できることならば、このまま風俗業界を上がりたいなあ…」とぼんやり思いつつも、暮らしていくには少しばかり稼ぎの足りない状態でした。
また心の奥底に残っていた好奇心や探究心につき動かされたというところもあったのでしょう。
衝動と金欠に突き動かされたわたしは、またもや裸仕事の面接へ向かうことにしました。
セクキャバを選んだ理由とは?
この時ははじめから、セクキャバだけ狙って仕事を探していたわたし。
賞味期限ギリギリというところではありましたが、年齢的にはまだセーフ。選択肢はいくつかありました。
それでもセクキャバだけに絞ってナイトワーク求人サイトを覗いていたのには理由があったのです。
それまでのナイトワーク経験から、自分にはピンサロやセクキャバのような半端な立ち位置にある業態が性に合っていると分かっていたから。
お客様を気遣いつつもガッツリと裸サービスをするヘルスやソープ、また会話と容姿が主な武器となるキャバクラやガールズバー。
そのどちらも、考えただけでゲンナリしてしまいます。
わたしは駆け引きが上手なわけではなく、トークスキルもまったく自信がない。
かと言ってスタイルにも自信はなく、ハードな性的サービスをする体力もない。
ないないづくしのわたしはそんなところから、抜きサービスがなく中途半端な立ち位置にあるセクキャバで働くことを選んだのでした。
会話を盛り上げることができない時はお触りを武器に接客すれば良いし、身体を触られることに嫌気が差してきたらごまかしつつも会話へ逃げれば良いのですから。
接客の上でやるべきことはきちんとやっているつもりではありましたが、今振り返っても一番性に合っており楽に稼ぐことができたのはやはりこのセクキャバでした。
裸仕事に必要なモノって?
面接を取り付けて、新宿歌舞伎町のとあるビルへ向かうことにしました。
持ち物は身分証明書、だけ。
報酬は手渡しであったため、口座番号すら要りません。
ましてや履歴書など、何ソレ?って感じです。
年齢と住所本籍などの個人情報、そして女の身体があれば今日からでもお金を稼ぐことができる。
それが今夜も眩しく煌めいている、ナイトワークの世界なのであります。
文|カサイユウ(ライター・元風俗嬢)
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