2017年 04月 14日

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なぜ僕が!?やくざの事務所にショバ代を届けに行くことになりました。。。

宮下コーキ

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風俗店といえば、とってもグレーな業界です。
住所を変更して届け出をしなかった場合、
すぐに閉店に追い込まれてしまいます。
たとえそれが、1丁目から2丁目に移っただけだとしても・・・。
そのパターンで警察に摘発されちゃった店長さんを知っていますし・・・。

爽やかサラリーマンの正体

さて、風俗店にとって、おまわりさんよりもある意味でこわい存在。
それがやくざです。
今回はそんなやくざ屋さんとの話をしましょう。

風俗店がグレーなら、お客さんはホワイトに近いです。
そしてブラックが・・・やくざ。

都市伝説的な感じで、風俗店とやくざのつながりが噂されることがありますが、
実態はどうなのかというと・・・

はい。あります。
それがどういうつながりかというとですね、
あれです。ショバ代ってやつです。
「場所代」をひっくり返して「ショバ代」。
隠語ってやつですね。
法律的には完全にアウトです・・・。

この場所は俺たちが治安維持してるんだから金をよこせ、という制度です。
まあ、冷静に考えたら意味がわからないんですが、
やくざ屋さんとの関係を冷静に考えたら負けです。

こわいですから!!

そんなある日、サラリーマン風のスーツを着た男がうちの店にやってきました。
「こんにちは~!店長さんいらっしゃいますか?」
と男。
爽やかな営業マン風です。

受付は僕だったので、店長の部屋にその男を普通に通しました。

そうです。お察しの通り、結論から言うと、この人、やくざです。

もうほんと見た目はふつ~のサラリーマンです。
むしろ仕事できそうな好青年的な感じ。

店長の部屋のドアが少し空いていたので、
聞き耳を立てていると、
「シマ」がどうのとか、利権的になんたらとか、
「組」の問題的にはとか、おそろしい単語がいっぱい。

あとで店長に確認すると、やはりやくざ屋さんでした。

で、その男がうちの店になにをしにきたかというと、
ショバ代の回収です。

男「いつもすみませんね~!」
店長「いいんだ・・・・・よ」

店長のいつもの間はいいとして、
なぜかやくざより店長のほうが上みたいな構図・・・。

最近はやくざを取り締まる世の中の風潮のため、
やくざも大変なんだそうです。

で、男が帰ったあとに、気になることを店長に聞いてみました。

僕「ショバ代って、いくら払ったんですか?」
店長「毎月3万・・・・だよ」

や、安っ!!ボロアパートの家賃並みです。
なんて良心的なやくざだ・・・。
いや、やってることは間違いなく良心的じゃないんですが・・・。

ショバ代の回収は若い衆の仕事らしく、
今回あの男が来たというわけですね。

やくざの事務所に!?

そしてそんなことから約1年後。

店長宛てに電話がありました。
「システムクリエイティングサービス」という会社から。

店長に電話を代わると、2分くらいで電話は終了。

そして、店長が驚愕の一言を僕にいったのです。

「宮下くん、例の事務所さんに、ショバ代届けてくれない?」

ええぇぇぇぇーーーーー!?

詳しく話を聞くと、その日来る予定だった若い衆が、
用事でうちの店に来られなくなり、
代わりに事務所に届けてほしいとのことでした。
そしてその日は、僕と店長しかスタッフがおらず、
店長は来客予定(やくざじゃないですよ)があったので・・・
つまり僕しかいないと。

事務所はどこにあるのかと尋ねると、
お店から徒歩10分圏内でした。
隣には吉野家があるビルで、通勤で通っていました。

そ、そんな危険なところにずっと働きにきてたのか!?
つーか、そんなところにやくざの事務所ってあるの!?

ビックリする僕を尻目に、店長は、
「はやく行ってくれる・・・かな」

と催促。
ショバ代が入った封筒を渡され、
僕はやくざの事務所に出撃することに・・・。

タバコを5本くらい立て続けに吸って、
平常心を保とうとがんばる僕。

歩くこと8分。
もう着いてしまいました。
ほんとにふつ~の街の中にあります。

外観は「いかにも」な感じの作りではありません。
ふつうにきれいなビルです。
そのきれいなビルの最上階に、やーさんの事務所はありました。

オートロックで部屋番号を呼び出すと、
「はい?」
と男の優しい声。

お店の名前を伝えると、
「開けますので、上がってきてください」

とこれまた優しい声。

なんでですかね・・・。
こういうときって優しい声が逆に恐ろしく聞こえるのは・・・。

赤ずきんちゃんを食べようとする熊を思い出しました。

エレベーターで最上階まで上がり、部屋の前まで来ました。
「○○組」
とふつうに表札があります。

・・・え?いいの?これ?

まあ、いいんでしょう・・・。

では、いざインターフォンを押します!!

いざ事務所内へ!!

「ドア空いてますので、そのままお入りください~」
とさっきの男の声。

なんだかドアノブを持つ自分の手が震えていますが、
気のせいでしょう。

ガチャ。

開けると、いきなり長い通路があります。
コンクリート打ちっぱなしの壁がオシャレです。

通路の幅はそんなに広くありません。
大人2人が同時に通れるくらいです。

照明は間接照明っぽくなっていて、
これもやはりオシャレです。

しかし、唯一オシャレじゃないもの。
それが、通路にずらっと並ぶやくざ。

なんか、映画でみたことあるような光景が、
自分の前に広がっています。

スーツに身を包んだスキンヘッドがいっぱい。
壁の両端に、10人くらいずつのやくざが整列しています。

そして、みなさん、なぜか僕を睨んでいる。

僕は思いました。
帰りたいと。

でも、ここで引き返したら、確実に状況が悪化することは
なんとなく予想ができました。

何度もペコペコと頭を下げながら、
やくざたちの間を通っていきます。

通路中央しか隙間がないので、中央突破しかありません。
しかし両端に屈強なやくざがいるので、狭い・・・。
これがまた恐怖心を刺激します。
心臓がイカれそうになりながら、やくざ橋をなんとか通過。

泣きそうになりながら顔を上げると、
優しそうなイケメンの男がいました。

「どうぞ、こちらへ」

とイケメン。
確実に僕の様子を楽しんでいやがったな・・・

なんていえるはずもなく、
「は、はいっ!!」
と返事をして、イケメンがすんごく重厚そうなドアを開けます。

さて、僕の運命やいかに!?
無事に帰ることができるのか!?

組長と面会

ドアが開けられると、これまた映画で見たようなリビングです。
日本画とか書道作品とか、高そうなガラス細工とか、
とにかくお金の臭いがプンプンします。

部屋の中央に、これまた高そうなソファがあるのですが、
そこにまったく怖くなさそうなおじさんが一人座っています。
どこにでもいるような普通のおじさんです。

その両脇に、入れ墨がガッツリ入ったマッチョが2人。

僕が部屋に入ると、
おじさんは立ち上がりニコニコしています。
「どうぞ!座ってください」

とおじさん。

え・・・?この人がトップ?????

「あ、失礼します・・・」
と言って、僕はソファに座ります。
油断すると寝ちゃいそうな最高の座り心地。

すると、入れ墨マッチョの一人がお茶を出してくれます。

そして、正面をみるとおじさんがいるわけですが、
向き合って分かったのは、
誰よりも目が怖いということ。

睨んでいるわけでもなく、
敵意をむき出しにしているわけでもありません。
どっちかというと、まだニコニコしているんですが、
目がハンパなく怖い。

見た目は全く怖くないのですが、
オーラがヤバいんです。

あ、この人本物だ・・・。

僕はすぐに帰りたくなり、
もってきた封筒を出して、
おじさんに渡しました。

おじさんはそれを受け取り、
入れ墨マッチョの一人に渡します。

入れ墨マッチョが中身を確認し、頷くと、
おじさんも頷いてニコニコ。

それからおじさんは世間話を始めました。
内容は、あそこのラーメン屋がうまいとか、
普段はどこで買い物するの?とか、ほんとに世間話です。
僕は汗が止まりません。

冷房がガンガンに効いているのに、
まったく汗が止まらないという不思議。

こんなに心臓に悪い世間話は初めてです。

10分くらいして、事務所の電話が鳴りました。
イケメンが出て、なにやら険しい顔をしています。

イケメンがおじさんを呼びます。
おじさんは、
「ちょっとすみません」
といって、席を立ちました。

おじさんは電話に出ると、また険しい顔。
こそこそと話しています。

もう完全に映画です。
どっかでカメラ回ってないよね!?

電話を切ったおじさんは、僕のところに戻ってきて、
「用ができちゃいまして・・・」
といったので、
僕はすかさず立ち上がりました。

さっきよりおじさんの目が怖い・・・。
なにかあったんでしょう・・・。

頭をこれでもかとおじさんに下げて、
部屋を出ようとすると、
またイケメンがドアを開けてくれて、
「ご苦労様でした」
と頭を下げます。

僕はまだまだ汗をかきながらイケメンにお辞儀。

やっと帰れるけど・・・!

こうして帰れることになったわけですが、
また、あの地獄の通路を通らなければならないのかと思うと、
とっても憂鬱です。

ドアが閉められ、通路に向き直ります。
すると、さきほどあれだけ僕を睨んでいた両端の20人の姿がありません。

あ、あれ?もしかして抗争的なものに出かけちゃったのか?

とりあえず、僕は安心して通路を通ることができました。

そして玄関のドアを開けると・・・
い、いた!!
20人の男たちが、エレベーター乗り場までの道を作っています。
どういうことかというと、
玄関からエレベーター乗り場までは直線なのですが、
僕が通れるスペースを残して、両端にやくざ10人ずつが並び、
道ができているんです。

しかも全員お辞儀をしている。

頭を下げた男たちの中央を僕が通っていきます。

映画だったら、気分がいいだろうな~なんて思う場面ですが、
怖すぎます。
ダッシュしたい気分です。

しかし、相手を刺激するのは問題なので、
「お疲れ様です~・・・」
といいながらゆっくりと「男道」を通過していきます。

なんとかエレベーターに乗り込んでも、
男たちは頭を下げたまま。

心臓がもつのかと思いながらなんとか1階に降ります。

外に出ても落ち着きません。
なんか失礼なことをしたんじゃないだろうかと。

やくざルールみたいなのがあって、
部屋に入るまえに仁義ポーズを取らなきゃいけないとか・・・?

そのルールに従わないってことは無礼だ!
みたいなことにならないかと変な心配が頭をよぎり、
お店までずっとキョロキョロしながら帰りました。

無事、店に到着。

ものすごい疲労感を感じてお店に戻ると、
店長が、
「お疲れさま。大丈夫だっ・・・・・た?」
と聞いてきたので、
もう行きませんと伝えときました。

そうか、と店長がいうかと思いきや、
店長からの言葉は意外なものでした。

「あっちの組長さんからさっき連絡があった・・・よ。
宮下くんのこと・・・・・・で」

ええぇぇぇぇ!????

や、やっぱりなんか粗相をしたんだ・・・!!
ヤバい、ヤバすぎる・・・!!

話を聞くと、組長さんからの話はこんな感じだったそうです。

「今日はわざわざありがとうございました。
さっき寄越してくれた男の子だけど、
とても気に入った。
最近の若者にはあまりいない、いい目をしてた。
店長さんがよければ、僕のところで預かりたいんだけど、
どうですか?」

という話だったそうです。

い、行くかーーーー!!!

とはいえないので、
店長に、丁重にお断りしてもらうように伝えました。

あんな体験はもう人生で二度としないでしょう・・・。
いや、したくない・・・。


文│宮下コーキ

琥珀
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このコラムを書いた人

宮下コーキ

元風俗店店員。大学卒業後、文化放送で構成作家になるのだが、「人生経験を求めて」という軽いノリで風俗店勤務へ。スーパーグレーゾーンな日常、語っちゃいます。

宮下コーキ

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