映画備忘録｜吉沢／グッドワイフ

先日観に行った、
東京国際映画祭での特別上映作品
「MISHIMA」

1985年
製作総指揮フランシス・コッポラ、
ジョージ・ルーカスのもと

ポール・シュレイダー監督
(「タクシードライバー」の脚本家)
が完全に日本人俳優のみを使って
オールジャパンロケで作り上げた

三島由紀夫の割腹自決の日を舞台に
彼の小説を断片的に切り取りながら
三島の生涯、最期の日を描いた作品です。

三島由紀夫役には緒形拳、
他にも佐藤浩一、坂東八十助、沢田研二、永島敏行、萬田久子などの豪華俳優陣が出演し

カンヌ国際映画祭で賞も獲ったにも関わらず、様々な事情で日本で上映されることのなかった「幻の映画」

40年の時を経てついに日本上映✨



会場には永島敏行さんや萬田久子さんもいらっしゃっていました☺️


三島由紀夫が割腹自殺したのは1970年。
私が生まれるずっと前のことで

彼の小説は若い頃結構読みましたが
「同性愛者」「ナルシスト」
「切腹して亡くなった」
のような曖昧な印象しかなく...

この映画を観て思ったのは
(あくまで私観です)

三島由紀夫という人はなんて
矛盾に満ちた人なのだろうか！
ということ。


自己愛が強い完璧主義者だからこそ
自らの矛盾に誰よりも敏感で
常にその相反するものと葛藤していた
んだろうなぁ

「圧倒的な美」を追求しながらも
自分の通俗的な部分にも気付いていて

それは「芸術的な死」を遂げることでしか昇華されない、と
「切腹」への異常なまでの執着になってゆく...


なんてクレイジー！！


矛盾を受け入れることができず
高い理想と美意識に囚われ

何よりもそれを客観的に見ることのできる頭の良さ

なんて苦悩に満ちた人生なんだろうかと

痛々しいまでの人間臭さに
胸がいっぱいになりました。
本当に生きづらかっただろうな。。


40年前に作られたとは思えない
白黒と色彩の世界のコントラストも
素晴らしかったです。

これを機にこの作品が普通に上映できるようになることを願います😌


観に行けて良かった〜！！